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「――これで終わりだと思うなよ………。」
その言葉に、そして憎しみで真っ暗な目に、全身が凍り付いた。
麻衣が何も言えずにいると、海藤はゆっくりと玄関へと引き返して行った。
1人残された麻衣は、震える身体を必死に動かし、何とか歩こうとした。
「――あっ……!」
一歩、歩いただけでよろけて地面に手をついてしまった。
「――…うっ………。」
ポタリと、アスファルトを涙が濡らしていく。
あたしは何をしているんだろう。
惨めな自分の姿に、涙が止まらない。
こんなことになるなら、最初から別れていれば良かったのかもしれない。
自分の愚かさを呪った。
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