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電話を受けた由利は、すぐに迎えにきてくれた。
麻衣の様子を見ても、驚かなかった。
ただ優しく、抱き締めてくれた。
その時、分かった。
――由利は知っているんだ。
理由は分からない。
でも、知っていたから、声をかけてくれたんだ……。
そして今、側にいてくれている――。
由利はうちに来るように言った。
大丈夫だからと、何も心配はいらないから、と。
少し迷ったが、その言葉に甘えた。
ケガと精神的なことを考え、由利は一週間泊まるように言った。
由利は、由利の母親と麻衣の家にも電話をして、安心して泊まれるようにした。
家に着くと、由利の母親があたたかく迎えてくれた。
2人とも、その日は何も聞かず、ケガの手当てをして、温かい食事を出してくれたのだった。
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