終わりなき

4/17
6132人が本棚に入れています
本棚に追加
/292ページ
電話を受けた由利は、すぐに迎えにきてくれた。 麻衣の様子を見ても、驚かなかった。 ただ優しく、抱き締めてくれた。 その時、分かった。 ――由利は知っているんだ。 理由は分からない。 でも、知っていたから、声をかけてくれたんだ……。 そして今、側にいてくれている――。 由利はうちに来るように言った。 大丈夫だからと、何も心配はいらないから、と。 少し迷ったが、その言葉に甘えた。 ケガと精神的なことを考え、由利は一週間泊まるように言った。 由利は、由利の母親と麻衣の家にも電話をして、安心して泊まれるようにした。 家に着くと、由利の母親があたたかく迎えてくれた。 2人とも、その日は何も聞かず、ケガの手当てをして、温かい食事を出してくれたのだった。 .
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!