第1話 帰り道にはナンパに注意!!

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「私さ、10歳のころにこの町に転校してきたんだ。」 「え?おねぇさんこの町に前から住んでいたわけじゃないの?」 「うん、そうなの。」 昔を思い出し少し私は顔をしかめる。 「どうしたの?おねぇさん?」 その表情の変化に気が付いたのか、少し不安そうに浩哉が声を掛けてきた。 「な、なんでもないよー…。だた」 「ただ…?」 「あんまり良い思い出ではないから…」 あの頃を思い出すと、いまだに背筋が凍る。 純粋だったからこそ起きた話。 「嫌な話って話ほうが楽になるよ?」 少し下からのぞきこむように、浩哉が声を掛けた。 「ッ…。」 今そんなことを言わないで欲しい。 いくら年下だと分かっていても 縋ってしまいたくなるから…。
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