第2話 昔々の思い出話

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「ゴメンね。彩香。お父さんと別々に暮らす事になって…。」 「ううん。大丈夫だよ!」 「そっか、彩香は強いのね。お母さんはあなただけが頼りよ。」 少し涙ぐみながらお母さんは言った。 私は泣けない。 ここで泣いたらお母さん余計に困っちゃう。 お父さんとはもう【別の家族】ってこと知っているのは 黙っておかなくちゃ。 これからも、ずっと…。 「新しい学校ではちゃんと馴染めるといいわね。」 「ッ…。う、うん!!そうだね。」 お母さんに悪気がなくても、傷つく一言。 前の学校のことは思い出したくないのに。 でも、そんなことは絶対言わない。 お母さんにこれ以上負担を掛けるわけには。 せっかく収まった事がまた繰り返されるから…。
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