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放課後大通りを歩きながら、ふと思い出した。
「詳しい時間を決めてなかったな…」
「うん。だから聞きにきたよ?おねぇさん」
その言葉に一瞬体が震えた。
「あ、そうなんだ。えっと…」
「僕浩哉っていいます。」
ニコッと笑い自己紹介をした。
「あ、浩哉君っていうのね。私は彩香。」
私も軽く自己紹介をした。礼儀として。
「彩香おねぇさんって呼んでいい?」
「え、うん。いいけど…。」
三咲の言葉が頭に引っかかり、あまり話ができない。
「?
おねぇさん今日元気ないね。」
浩哉が呟くように言った。
「えっ?」
聞き取れずに私は聞き返したが、
「ううん、なんでもないよ。土曜日は午後1時にしない?」
浩哉はニコッとまた笑い話をそらした。
別にいいけど。
「あ、うん。いいよ。じゃあ1時に…。」
そして、また2人は別れた。
しかし、浩哉は別れてからも、見えなくなるまでじっと姿を見つめた。
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