序章

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それを確認したアポロンは、自分と向かい合わせに正座で座り腕を組んでいる柳との中間辺りに、球体を浮かばせる。 その直後に球体は淡い燐光を放ちながら、何かを映し出した。 「・・・ほぅ、この球体がお主の言う異世界の技術で、それに映し出されている光景がお主達の住む世界か?」 そうアポロンに聞く柳が見ている球体には、彼方の世界に存在している絢爛豪華な城であろう巨大な建築物と、その周囲に広がる城下町らしき場所の光景が遥か上空より見下ろす形で映し出されている。 「柳殿が言われるとうり、今使いましたのが私達の世界で使用されている技術。 “操気法”と呼ばれている、森羅万象に含まれる『気』と称される自然界の力を、自身に宿る同質の『気』と混ぜ合わせて、奇跡を具現化させる技術です。」 アポロンは説明をそこで止め、一息入れると柳が聞いているのを確認し、続けて話し出す。 「そして、その球体に映し出されている光景は私達の住む天界から、地上界を眺めている状態の映像です。」 、
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