序章

3/23
434人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
柳が縁側でのんびりと日向ぼっこをしていると、村と柳の家を繋ぐ小道の向こうから人が来るのが見えた。 柳の家は、村から少し離れた場所にあるのだ。 「・・・・・ふむ、今日は少しばかり早いのう。」 柳は茶を啜るのをやめて、小道の方を見ると穏やかな顔でそう呟いた。 その視線の先には、小道を歩いてくる手に風呂敷包みを持った1人の少女が居た。 「・・・あ!!お爺ちゃ~ん!!」 少女は縁側に居る柳に気付くと、笑顔で大きく手を振りながら柳に声をかけて、小走りで駆け寄って来た。 柳は少女が自分の前に来ると、少女に穏やかな笑顔で話し掛けた。 「お市、お主はワシ程ではないとは言え体が弱いのだから、あまり無理をするものではないぞ?」 、
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!