序章

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そう言う柳に少女は笑いながら返した。 「あははは♪お爺ちゃんは心配のしすぎよぉ♪ちょっと走るくらいなら、あたしは大丈夫♪」 この明るい少女の名は“市”村長の一人娘で少し体が弱いところもあるが、性格は明るく気立ても良い器量良しの子だ。 彼女は柳のことをお爺ちゃんと呼び、柳が村に来てから何かと世話を焼いているのだ。 柳は柳で、市を自分の孫のように思っており、市が自分を訪ねて来る度に世話話をしているのだ。 「それもそうだのう・・・・・・しかし、今日は随分と早いのじゃな?」 柳がそう言うのも無理はない。 市は普段なら、夕方頃に訪ねて来るのだが、今日は昼飯時に来たのだ。 しかも、何かを入れた風呂敷包みを持って来たのだから、柳が疑問に思うのも無理はない。 、
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