序章

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「・・・・・・すまぬな市・・・ワシはもう限界のようじゃ。」 そう悲しそうに呟いた柳の手は、吐血して付いた大量の血で染められていた。 その後、幾分かは体調の回復した柳は食事の用意を始めた。 そして、夜になり居間で食事をしていた柳は、縁側の外に何者かの気配を感じ箸を置いて立てかけていた刀を持って外に出た。 「・・・・・・このような夜更け、ワシのような年寄りに何ぞ用かのぅ?」 わざと隙だらけで外に出て来た柳は、気配の持ち主にそう話し掛けた。 柳の視線の先には、金髪碧眼の男か女かわかりにくい顔立ちの白いローブに身を包んだ人物が月明かりに照らされて佇んでいた。 「・・・・貴方が、“風の刃”ですね?」 、
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