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「ん……?」
耳元で鼓膜を酷く震わせるような大音量なアラーム、いつもその音により眉間に皺を寄せつつも頭の隣で音を流す携帯にと手を伸ばす、のだが今日はアラームが鳴る前に起きたようだった。どちらにせよ時間を確かめるために瞼を閉じたままで手探りで探す、しかしなかなか見付からなくふらふら浮遊する手は少し範囲を広げた。
ガッ
「いたっ」
重たい瞼を持ち上げてはボヤける意識がはっきりするのを待つ、陽は上がっていないのか辺りはまだ真っ暗だ。(畜生さっきぶつけた指が痛い)
いや、真っ暗と言うより、すぐ目の前を何かで閉ざされているような、暗すぎて何が何なのか全く理解不能な状況である。
「…?」
寝起きのためか思考があまり働かない、とりあえず自分は上を向いていて自室の天井はこんなにも低い訳がない、――少しずつ状況把握をしていこう、ぼんやりと目の前の壁を睨むようにしながら考えてみる。
まずは狭い。次に暗い。
それから…、そう新築の匂いだ、木の匂いと言うのだろうか。
…つまり、木の箱のような物に閉じ込められている、でいいのだろうか。そう考えたら随分と自分にヒットするような狭さに感じるようで、……そう、あまり考えたくないけれどまるで棺桶みたいな。
「…ぇぇえええええっ!!?」
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