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雨降りの木曜
「秋(しゅう)、帰ろうぜ」
「ああ」
祐人(ゆうと)に呼ばれ、俺は教室を後にした。
校舎を出ると微かに雨が降っている。
今は7月の初旬、ここ最近はずっと雨が続いていた。
ジメジメして蒸し暑い、雨が続き傘をさすことすら面倒くさい。
そういう理由もあり俺は雨が嫌いだった。
「早く雨止まないかな」
「もうすぐしたら梅雨明けだろ?」
「…なら良いんだけど」
靴に雨が染み込み踏み込むたびにあの感触。
早く止め、今すぐ止め。
そんな願いをいるかわからない神様に向かって心の中で呟いた。
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