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「本屋寄るけど一緒に来るか?」
祐人が本屋の前で立ち止まった。
本屋か、欲しい漫画があるんだよなー…。
俺も本屋に寄りたい。
しかし靴のこともあり泣く泣く断った。
くそっ…、雨なんか嫌いだ。
祐人と別れた後、近道で公園を通った。
いつもならこの時間は遊ぶ子どもたちで賑やかなのに、今日は雨の音しか聞こえない。
「…?」
目の端に何かが映った。
確認をしたら、それは白い塊。
猫のような…、猫?
俺はその白い塊を抱きあげた。
微かな温もりと震えを感じる。
「子猫か」
首輪がついていないということは、飼い猫ではないだろう。
正直、このまま子猫を置き去りになんて出来なかった。
ましてやこの雨だ。
俺はこの子猫を持ち帰ることにした。
猫は水が苦手と聞いたことがある。
放っとくなんて出来なかった。
それに俺は猫が大好きなのだ。
ペットなんて今まで高くて飼えなかったが、こいつはおそらく野良猫。
これは良い機会なのかもしれない。
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