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ケイズM
「私はカレン・キスティ。ランドベルト国の西端にある、ここゼト領で鍛冶屋をしている16歳の女の子だ」
ジェイ「大体な、お前は無闇に突っかかって行きすぎなんだ!」
ケイズM
「この口うるさいのに役立たずなのは幼馴染のジェント・グラッド、あだ名はジェイ。ちっさい頃は、男の癖に泣き虫で力が弱くてどうしようもないと思ってたけど、意外に勉強は出来て、今は魔導士なんかやってる。魔術と魔道のプロフェッショナルで、術や技の開発にまで手ェ出しちゃった奴をそう呼ぶらしいけど、なんか10代でそれになるのは凄いことらしい。小さい頃、私より3つも年上なのに私に守られてたバカは、今じゃゼトの期待の星なんだそうだ。…私にしてみれば、単なるガリ勉なヘタレなんだけどなぁ」
ジェイ「相手がはす向かいの通りの眼鏡屋の爺さんだったからいいようなものの…。そういえばこの間、商業組合の組合長の息子と口喧嘩になりそうになったというのは本当か?」
ケイズ「私は殴り合いでもよかったのよ」
シルフィ「ダメだよカレ…ケイズちゃん。組合長さんを怒らせちゃったら、商売する時困るよぉ?」
ケイズM
「今のほわほわの可愛い子はシルフィール。このゼト領の領主様の一人娘で、私とジェイの幼馴染。私はフィーって呼んでる。貴族なのに、偉ぶらないで対等に接してくれるとってもいい子なんだよね。…小言が多いのが玉に瑕だけど」
シルフィ「変に色んな人と喧嘩して、今以上に商売の邪魔されたりしたら困るのはカ…ケイズちゃんでしょう?」
ケイズ「う~…だぁってさぁ~、私が女だってだけで曾祖父ちゃん(ひーじーちゃん)から受け継いで来たこの店の看板を他の奴に渡せなんて、そんなの納得出来ないよ!」
ジェイ「まぁ…それは確かにな」
ケイズM
「鍛冶屋キスティといえば、ランドベルトでも5本の指に入る腕利き鍛冶屋として名が知れていて、自分の武器をオーダーメイドしたり、ちょっと良いお手入れしたりするために、国内外から冒険者の人が足を伸ばしてくる。私はその四代目。もちろん実力は三代目だった父さんの折り紙付き。ダガーからクレイモアまで、ありとあらゆる武器防具を作れる。そのためにチビの頃から修行して来たんだから!なのに…」
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