エチュード⑥ 『完結』

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リーベ「こんにちはレディ」 リディア「あら…。こんにちは気まぐれ屋さん。今日はイースに何かご用でも?」 リーベ「やだな、そんな警戒しないでくださいよ。今日は仕事じゃないんですから」 リディア「そう。なら安心したわ。アナタは仕事熱心だから」 リーベ「あは、ボクだって息抜きくらいしますって~」 ノルン「リーベは息抜きばっかりじゃないか…」 リーベ「し~っ、狭間の空間の事なんか言わなきゃ分かんないんだから余計なこと言わないのっ」 リディア「ふふ、可愛らしいお連れ様ね。お名前は?」 ノルン「…名前がなきゃだめ?」 リーベ「おや」 リディア「名前が無いの?」 ノルン「………」 リディア「あるなら教えて欲しいけど、無いなら『可愛らしい方』と呼んでもいいかしら?」 リーベ「(クスリと笑い)貴女も珍しい方ですね。普通は『名前をつけてあげる』とか言いませんか?」 リディア「私とこの子に必要なのは、名で縛る事ではなくて単なる呼び名だもの。それに、捨てられる名など最初からつけるつもりはないわ」(穏やかに) ノルン「………」 リディア「それで、どうかしら?」 ノルン「…好きに呼べばいいんじゃない?」 リディア「(クスッと笑い)そうさせてもらうわね」 リーベ「惜しいなぁ、貴方ほどの方なら是非表舞台に出ていて欲しかったのに」 リディア「それは無理ね。…あの方との約束は、たとえ命が尽きようと…私にとっては有効だもの」 リーベ「前魔王閣下との約束、…ですか」 リディア「…そうよ。私はイースの前に…立つつもりはないわ」 リーベ「…まぁ、そうやって完結を迎えている存在だからこそ、私達はこうやって貴方と会話を楽しめるんですよねぇ…前魔王殿も迂闊というかなんというか」 リディア「まさかあの方も、息子の代に貴方が来るとは思わなかっただけよ。貴方、自分が伝説級の存在だと知ってらっしゃるんでしょう?」 ノルン「そうは見えないけどね」 リーベ「おや、手厳しい事だ。しかし…本当に、このまま完結させておくには勿体無い方ですね、リディア・レ・ランドベルト。どうです?息子に気付かれないけれど、近くでその姿が見られる立ち位置…欲しくないですか?」 あとがき: 序章前の会話。 リディアの存在はリーベの気まぐれの結果
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