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シグルド「おい、そこのノロマ」
シルフィ「…何、で…ございますか。シグルド様(少し怯えて戸惑いながら)」
シグルド「お前の主は誰だ」
シルフィ「………シグルド様、で…ございます(哀しみを耐えるように)」
シグルド「そのはずだな。ならばこれは何だ」
シルフィ「それは…っ(焦り)」
シグルド「何だと聞いている」
シルフィ「…私(ワタクシ)が、イシュタロス様に差し上げました…刺繍のクロスキルトでございます(怯え)」
シグルド「ほぉ。もう一度聞くが、お前の主は誰だ」
シルフィ「…シグルド様で、ございます(怯えながら)」
シグルド「お前の下手な刺繍でイース様の部屋を汚すとは、お前は俺の顔に泥を塗る気か?」
シルフィ「そ、そんなつもりではっ!」
シグルド「主たる俺が言いつけた用も充分にこなせんお前が、まさか主以外にかまけている暇があろうとは流石の俺も思いもつかなかったぞ。
…ふざけたことをしてくれる」
シルフィ「も、申し訳ありま…っ」
シグルド「お前は余程、仕置きが好きと見える。
望み通り…お前は誰の為にあるのか、骨の髄まで染み付くよう教え込んでやろう」
シルフィ「そ、そんなッ!?お願っ!シグ君、許してっ!」
シグルド「フフフ、お前は俺の言う通りに動いていればいいんだ。俺だけを信じていろ…シルフィール」
あとがき:シルフィールに対するシグルドは独占欲の塊。
タウラを好きなのは気のせいではないけど、シグルドの中でシルフィールは別格。むしろ所有物。
タウラは諦められるが、シルフィールは諦めるという選択肢がシグルドの中に存在すらしない。
それが好意だということにすら気づいていない。
シルフィールから見たシグルドは単なる暴君。
言うことを聞かないと痛い目に合わされるので従っている。
だが、負の感情を振りかざしてしか自己主張出来ないシグルドのことを、哀しい存在だとは思っている。
好意は持ち合わせていない。
だが、シグルドが小さな頃から彼の世話係をしていたので、彼に対して弟を見るような感情はある。
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