池田屋事変

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― 御用改めである。 近藤勇の言葉で戦いの火蓋が切られた。 鯉口をきる音が戦陣への参加の合図となり、夜の静けさ漂う三条小橋は瞬く間に死闘の空気にさらされた。 世に名高い 池田屋事変 である。 そして、ここが時代改革の岐路でもある。作家の司馬遼太郎もこの事件についてこう云った。 「この事件がなかったら薩長主力の明治維新は永遠にこなかったであろう」 日をまたいだ激戦のすえ、新撰組は多くの攘夷過激派浪士を討ち、その高名を京都中に知らしめた。 そして今、闇討ちを恐れた新撰組は夜が明けるまで池田屋で休息をとっていた。
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