手紙

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 都市伝説でもあるまいに、と鼻で笑いかけた私は――ここ最近、地元で中学時代の同級生が次々と亡くなっているのを思い出した。  改めて、手紙を読み返してみる――全身がねとつく冷水に包まれたような、嫌な寒気に囚われていく。 (まさか……そんな、本当に起きる訳無いだろ)  今度はボタンを見つめ直した。灰色に見えるそのボタンは、かなり風化してその色になったらしく、それぞれ微かにひび入っていた。 「これ……は……」  学生当時、その頃は珍しいブレザーが制服であったことを思い出した。  ブレザーに確か二つ、ボタンが着いていたような気がする。しかし今、手元にあるボタンは四つ。 「こんなモノ、砕いて捨ててしまえ」  工具箱から適当なハンマーを取り出し、ボタン目掛けて一撃を加えた。その途端、脳天に鋭い衝撃が来て思わず前のめりになった。  激しい痛みに、目の前で星がちらつく。 「つぅ」  ひびも入った古びたボタンなのに、ハンマーを当てたそれは欠けもせず転がっている。  指で握り潰しても簡単に割れてしまいそうな古いボタン……今度は指で割ろうと試みた。 「うぐっ?」
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