針と糸~その2

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康典の兵は2000 敵方は4万8000とある 漢宮正規兵は汚職官僚達の 私兵になるか女真側に寝返るかでちりぢりになっていた 康典は兵達に言う 「我々は今は寡兵である だが俺が今官僚に援軍の使いをだしているので安心しろ 援軍がくるまでもちこたえてもらいたい」 康典はそう言い放って司令陣に帰る 陣舎の椅子にこしかけ 「おい北遼関の地図を持て、これより軍略を練る」 部下に伝えた すると五、六人兵士が皆縄を持ってくる 「なんだ!縄ではない 地図だ、時間がない、急げ」 「へへへ、康典さんよ あっしらも時間がないんでさ この世でさんざん言い思いしたろう? 今度あの世で銭貯めな」 5.6人の男が縄で康典を縛った すぐさま10人10刺の戟(ほこ)が康典を貫き生き絶えた 康典は死んでしまったのである。
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