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あれは、中学に入って初めての冬休みだった。
僕は学校に忘れ物をしたことに気づいて、冬休みの一日目に取りに行った。
走って教室へ行くと、小夜という女の子がロッカーの近くで立っていた。
クラスではあまり目立たない方で、僕も特に気にしたことはなかった。
「君も忘れ物取りに来たの?」
僕は自分の机の中から忘れ物であるノートを取りながら話した。
小夜は首を横に振って、続けて話した。
「花に水あげに来たの。」
小夜はロッカーから小さなじょうろのようなものを取り出しながら言った。
「へぇ、何の花?」
正直、特に興味はなかったけど、沈黙が嫌いな僕は小夜の方に近寄りながら話した。
「分からない。でもね、誰かの育ててほしいって手紙が残ってたの。だから…」
小夜は少し微笑みながら話した。
「あなたも来る?」
僕は小夜の言葉に頷いて、一緒に学校を出た。
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