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でも、その次に行った時も新しい手紙は置いてなかった。
それでも僕は手紙を残した。
その次も、ずっと来ている気配はなかった。
おかしいなと思い、僕は小夜の当番の日に朝から公園にいた。
今日も来ないのだろうか。
夕方になり、遊んでいた子供たちも帰っていく。
まだ来ない…
それでも僕はずっと待っていた。
さすがに8時になると、親にも叱られると思い、僕は公園を後にした。
次の日も僕は公園に行った。
すると、小夜のという証でもある薄いピンクの便箋があり、僕の手紙はもうそこにはなかった。
僕はほっとし、その手紙を開いた。
『ずっと来れなくてゴメンね。
手紙読んだよ
心配してくれてありがとう
でも、もう会えないの。
ありがとう
またね』
どの辺を読んでいた時だろうか。
急に体が震えた。
何も分からないまま、僕は手紙を持って家へと走った。
もしかしたら____
僕は頭から嫌な考えが離れなかった。
電話のそばにあった緊急連絡網から小夜の家の電話番号を探し、急いでかけた。
『もしもし』
出たのは小夜のお母さんらしき人だった。
「あの、小夜さんの友達の海斗といいます。小夜さんいますか?」
小夜のお母さんはしばらく黙ってからこう言った。
『事故で死んだの…クリスマスの日に…』
涙をおさえているような、そんな声だった。
「………」
僕は何も言わないまま電話を切ってしまった。
何も考えられなくて、足から崩れるように座り込んだ。
自然と流れてくる涙で初めて気がついた。
小夜が好きだった、と。
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