天白雷の居ない世界

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ヘル・レッド 黒髪黒眼の少女が木製の椅子に座って、木製の机に足を乗っけている 「んぁ~…眠い…」 少女は眠そうに欠伸をした… 「ていうか…私ももう38だよ?少女って言い方は少し抵抗あるよねぇ」 ……見かけが少女な…女は!!…机の上の足を組み直した 「いやぁ~…女って言うより私ってぇ…聖女?」 「片腹いてぇですよ」 机の前においてあるソファに座っている 金髪紅眼白肌の女性はそう言って本を読む 「むぅ…まったく…ミールさんはぁ~」 「ん?」 ミールと呼ばれた女性は、あたかも何も言っていないように―聖女の様に笑う 「はぁ…依頼来ないかなぁ…こう…ド派手な奴!」 「諦めてください…無理ですよ」 そう言ってミールは笑う 「はぁ…」 女は溜息をつく、その瞬間、レトロな黒電話が音を発した 「やった…はい、ヘル・レッド」 『ああ、ワイやぁ』 「げぇ、キリストさん?」 『げぇ…は無いやろ?』 「だ、だって」 『良いから聞きぃな』 そう言ってイエス・キリストは喋りだす 『依頼や、悪魔が出た』 「そっちで片付けでよぉ~」 『アホか…1000万でえぇやろ?』 「了解!すぐ行くよ!」 『お前らの家のすぐ近くや…ワイの教会の教祖も向かっとる』 「了解…その依頼…引き受けたよ♪」 黒電話の受話器を戻し 「じゃぁ…行って来るね」 そう言った翠は真紅のロングコートを着た 「行ってらっしゃいませ…翠様」 翠と言われた黒髪黒眼だった、黒髪紅眼の女は口の端を吊り上げ笑う 「キャハハハ♪…わかってるよ…」 翠は【ヘル・レッド】の外に出る 「はぁ…もうこっち側まで来てるじゃん」 目の前には異形の化け物だらけ 「キャハハハ♪本物の悪魔が留守な分…聖女様と天使で我慢してね?」 翠は両の手にある紅と黒のデザートイーグルの引き金に―指をかけた
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