アマデウスの晩餐

2/2
1407人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「先輩先輩、今日から夏休みですよっ! 何かワクワクしません?」 「あーするするさようなら」 「絶対してないよコイツ。ああ、待ってください先輩! 夏休みの予定を聞きたかったんです」 「それを聞いてどうするの」 「え、えっと、その……一緒に海にでも行けたらなぁっと」 「Go with boyfriend」 「あたしに彼氏がいない事ぐらい知ってるじゃないですか。そう言えば先輩発音良いですよね。良いじゃないですか夏休みを独りで過ごすのは寂しいんですよ」 「ありがと。ヒキコモリのくせに独りがイヤなの?」 「夏休みの魔力があたしを外へと突き動かす」 「Go with 友達」 「何故friendじゃない。ヒキコモリに健全な友達がいるとお思いか」 「不健全な友達だって良いじゃない。ほら、佳奈ちゃんだっけかあの腐女子の」 「佳奈は夏休みをモナコで過ごすそうです。金持ちの周りだけ酸素無くなれ」 「怖っ」 「ね、良いじゃないですか先輩。どうせ先輩だって特に夏休みの予定なんて無いんでしょう? あたしを助けると思って」 「……僕に彼女がいる可能性とか考えないのか」 「いるんですか?」 「いないけど」 「ざまぁ」 「……帰る」 「あぁ、待ってください」
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!