タイラント・ランチ

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「あー、加藤先生の顔にビーカーグリグリ押し付けて怪我させて一週間停学になった先輩だ」 「カッとなってやった。今は反省している。わざわざ夏休みに停学にした教師共の低脳さには笑いがこみ上げてくるよ」 「本性を現したな、セン・パイキモス聖人よ! 先生方の温情措置を何と心得ますか」 「星人な星人。何かいきなり凄い人になってるよ僕」 「誰かさんのせいで海は台無しになるわ、佳奈は佳奈でべーこんれたすとか意味分かんない事をわざわざ国際電話で言ってくるわ、あたしの夏休みは散々です」 「べーこんれたす……BLか」 「もうあたし、ロリポップとサイモン&ガーファンクルしか無い世界に行きたい……」 「ロリポップはともかく、なかなか古いとこきたな。僕も好きだけど」 「とにかく、あたしの夏休みを台無しにした責任取ってください責任」 「まだ休みは半分あるじゃないか」 「あたしには宿題があります。先輩にはそれが分からんのです」 「僕には無いみたいな言い種はヤメロ。毎日こつこつやれば簡単なんだよ」 「えーん、勝ち組発言だぁ。どうせ先輩は夏休み最後の日に一日かけてやり遂げる達成感は味わえませんよ、一生」 「そんな達成感いらん。……分かったよ、宿題ぐらい手伝ってやるから」 「本当ですかっ!?」 「何が分かんないの」 「えっと、be動詞って何ですか?」 「帰れっ!」
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