僕と彼女

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「先輩先輩、しぇーくすぴあって知ってますか?」 「何その発音。ウィリアムの事だろ、僕の親友だ」 「サラリと嘘つかないで下さいよっ! まず時系列が違いますっ」 「時空を超える男、僕」 「うわ、一瞬格好いいと思った自分が憎い。というか先輩、今更すぎて今更ですがキモイです」 「その名はのび太」 「のび太!? って先輩、いつからボケ要員になったんですか。ボケはあたしの領域ですよ、土足で踏みにじらないでっ!」 「で、シェークスピアが何だって?」 「ちくしょう軽くスルーされた。あのですね、昨日初めて『露見男と受理越冬』を読んだんです! もう、スッゴく感動しました!」 「少なくとも男の方とは友達になりたくないな。犯罪の匂いがプンプンする、主に猥褻関係で」 「何の話ですか?」 「君が知る必要は無いよ。で、その露見なんたらを読んで感動したからって、何で僕に報告する?」 「だってほら、先輩も読みたいかと思って持ってきました。露見男と受理越冬」 「……本当に作者名がひらがな」 「感動しますよ! ヒロインの受理越冬が露見男に向かって『露見男、ああ露見男。どうしてあなたはいつもハレンチコートなの』って言うシーンは鳥肌ものでしたっ!」 「…………」 「あれ、どうしました先輩」 「有害図書決定。はいビリビリ」 「ああっ、あたしの本」
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