運命の『邂逅』

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香田剛。 こいつは高校からの付き合いだ。 髪は金髪で、一見やんちゃそうに見えるが、実はかなり気が弱い。 その反面、女や自分より弱いやつにはめっぽう気が強いという、嫌われやすいタイプの人間だ。 俺も初めのうちは嫌いだった。 が、とりあえず見ていて面白い。 そんな単純な理由だったと思う。 剛は、いつの間にかよくつるむ相手になっていた。 _____________ 「…剛?」 なんと剛がいた。 剛はタンスの中で肩をガタガタと震わせ、怯えていた。 「皆は?」 しかし、剛は何も答えない。 恐怖で口が利けないようだった。 恐怖のあまり動けない剛をどうすることもできず、 俺はその場を後にした。
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