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ガシャ
・・・
・・・
バン
・・・
「…撒けた…のか…?」
俺は恐る恐るタンスの戸を開けた。
何もいない。
どうやらタンスの中の俺に気付かなかったようだ。
ここは2階のさっきまで剛が隠れていた部屋だ。
もしかすると剛も「やつ」から逃げて、ここに隠れていたのかもしれない。
最後に見た「やつ」の姿を思い出す。
「やつ」の容貌は、まさしく「青鬼」という名に相応しいものだった。
全身真っ青で、頭はやたらとでかい。
まるで巨人の頭を、無理やり人間の体と合体させたようだった。
単なる迷信なんかじゃなかった。
化け物は本当にいたんだ。
細心の注意を払い、俺はその部屋を後にした。
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