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目をとじてすぐ、唇に柔らかな感触がした
「…!!」
恐る恐る目を開けければ、10センチにも満たない距離に古泉の顔があった
「………」
驚きと共に、俺の頭は完全にフリーズした
「………」
ただ呆然と突っ立っている俺を見て、古泉は下を向いて自重気味に笑いだした
「こんなこと、同性にされるの嫌ですよね…ましてや僕に…」
「いや…俺は…」
「今日の事は…!」
止めようとした俺の言葉を少し大きな声で遮り、古泉は続けた
「今日の事は…忘れて下さい…本当は…この気持ちを貴方に伝えられただけでよかったんです…」
言いながら、古泉の腕は俺の肩からずり落ちていく
「…気持ち悪かったですよね…本当に、すみませんでした…」
古泉は抱き着かれた時に落ちた俺の鞄を拾い上げると、俺に持たせた
…ふざけるな
俺にそういう趣味はない
お前の勝手にキスまでされて…
なんでよりによって…
そう、心の中で思っていた
…なのに
「…俺は」
自分でもわからないうちに言葉にしていた
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