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「俺は…嫌だったとは言ってない」
何言ってんだ俺…!?
自分でもわからない
でも
嫌じゃなかった…
それは事実じゃないと言ったら嘘になる
「…?」
俺のあの言葉を予想すらしていなかったであろう古泉は、俺に触れるのを躊躇った後、俺に少し伸ばした手を引っ込めて自分の膝に置いた
そして、下を向いている俺を覗き込んでくる
「い、嫌じゃなかったって言ったんだ!」
恥ずかしながら繰り返すと、古泉は大丈夫かと言いたげな顔をしやがった
「…ッ…帰る」
素直に言ってやればあんな顔しやがって…
ムカついて、帰ろうと古泉に背を向ける
「待って下さい…!!」
「あぁ!?」
大きな声で呼ばれ、叫びながら勢いよく振り返る
すると
「んッ…んぅッ!?」
振り返ったと同時に口を塞がれた
さっきの触れるだけのキスとは違い、今度は頭を押さえられ、深く、強く口付けされる
「ん~ッ!ん~ッ!!」
息をするのが辛くなり、古泉の胸を叩く
すると、古泉の唇はあっさりと離れていき、同時に俺の頭に回した手を放す
「…これでも…嫌じゃないんですか…?」
「…なッ、何回も…言わせんな…」
乱れた息でそう言えば、古泉はまた抱き着く…というか、俺が抱き寄せられた
「それは…僕の都合のいいように受け取っていいんでしょうか?」
…心なしか、古泉の声は震えている気がする
「……好きにしろ」
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