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『今日も動く』 毎日の日課。 一番嫌な時。 今まで何度も絶望していた。 足や腰が動かなくなるのに気づいたのも朝、起きた時。 今日はまだ、動く。 『よかった』 ほっと胸を撫で下ろす。 しばらくすると看護士さんが朝食を持ってくる。 ベッドを起こし、食事を目の前に置き病室をあとにする。 私は用意されたスプーンを使いなんとか食事をする。 少しずつゆっくりと食べるため食べ終わるのに1時間かかってしまう。 食べさせて貰えばすぐに終わる。 でも、自分でできる間は自分でしたいと言って介助は断った。 その他の身の回りのことは介助がなければできないのだからせめてできることはしたかった。 『ごちそうさま』 ようやく食べ終わる。 しばらくして隼人先生が来た。 いつも着ている白衣を着てない。 どうしてだろう。 先生は何も言わず、空の食器を見て優しく頭を撫でてくれた。 『夢乃ちゃん、ちょっと外に出ようか』 『えっ?でも・・・』 『僕、今日休みなんだ。だから、夢乃ちゃ んと出かけようと思って』 先生と2人きりで外に!なんかドキドキする。 私は、返事をせず俯いていた。
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