プロローグ

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私は夢乃。 今年、高校3年生になる女の子。 普通なら楽しい学校生活を送っていて、友達も沢山作っていたと思う。 でも、私はそうじゃない。  進行性筋ジストロフィー(デュシェンヌ型)。 筋力が低下していく病。 治療法は見つかっていない。 私は小さい頃からこの病と戦ってきた。 今ではベッドを上げて両腕と首をを動かす事しか出来ない。 小さい頃からずっと病院にいて外にはあまり出たことがない。 出たとしても家に帰るくらい。 最近では滅多に帰ることはなくなった。 だから遠出なんてしたことなかった。 私にはやりたいことがあった。 それは綺麗な海で私の好きな絵本に出てくる人魚姫のように泳ぐこと。 無理なのはわかってる。 でも、一度でいいからやってみたい。 それが私の夢。 『ヤッホー!夢乃!』 『春!来てくれたの!』 彼女は春。 3年前この病院に盲腸で入院してきた時に知り合った、今ではなんでも話せる親友。 自分が退院してもこうやって毎日お見舞いに来てくれる。 そして学校のことを話してくれる。 その話しを聞きたくて私は、春が来るのをいても楽しみにしていた。 『今日はどう?』
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