プロローグ

3/5
前へ
/25ページ
次へ
『あんまり、ご飯もやっと』 『そっか。あっそうだ』 鞄から一冊の雑誌を取り出し、私に見せる。 その雑誌には、白い砂浜にエメラルド色の海の写真が載せられていた。 私は人目で心を奪われる。 『ここどこ!?』 『これは外国だよ』 『外国か・・・』 外国はさすがに行けない。 病院から出るのもままならないのに行けるはずがない。 やっぱり私はこのまま死んじゃうのかなぁ? そんな不安ばかりが頭をめぐる。 いつもそのことばかり、人間誰しも死ぬのはわかってる。 でも、身体が動かなくなって何も出来ずに死ぬのは嫌なのに。 私は、足掻く事も出来ない 『あ、あのね夢乃。日本にもこんなキレイ な海があるとこがあるんだよ!』 『本当!どこどこ!』 『沖縄。夏休み行こっか?』 『沖縄・・・・か』 沖縄でも、私にとっては遠い。 いつも春は私を海へ連れて行こうとしてくれる。 でも春だけでは私の面倒をみるのは大変だから私は、行かないと言ってしまう。 『今回は行ってもらうからね!』 『いいってば!』 『今回は、協力者がいるんだから大丈夫』 『協力者?』
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加