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『わかったよ。夢乃ちゃん』
隼人先生は、優しくそう言ってくれた。
私は、先生が好き、優しくてかっこいい。
私は密かに先生に恋していた。
叶わぬ恋だとわかってる。
だから、言わずに想っているだけ・・・
『さてと、今日はもう帰るね!』
『あ、うん!来てくれてありがとう』
『また、明日も来るね』
手を振りながり帰って行く春に、手を振る。
数回振るのがやっとだけど、頑張って振った。
出来る間は精一杯やろうと決めたから、それを見ていた隼人先生は優しく私の頭を撫でてくれた。
優しくて温かい手。
『じゃ、僕も仕事に戻るよ』
『はい』
『何かあったら呼んでね』
優しく微笑み仕事に戻って行った。
私は、春が持ってきてくれた雑誌を手にとり、海の写真を眺めていた。
何度見ても綺麗な海。
沖縄にもこんな海がある。
遠出したことないのに行けるのかなぁ?
でも、先生や春、そして夏美さんが連れて行ってくれる。
泳げないけど、浮かぶだけでもいいから人魚のように泳げなくてもいいから神様1ヶ月だけ私の時間を止めて、病の進行を止めてください。
海に行けたら私は何もいらないから。
私は、初めて神様にお願いをした。
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