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『不自由な足が自由に泳げるヒレに』 『素敵でしょ?』 『いい話しだね』 『だから私、海に行きたいの』 海に行けば、この絵本の少女のように不自由な身体から自由な身体になれるかも知れない。 何かが変わるかも知れないから 『そうだね。なら、リハビリがんばらない と』 『うん!』 でも、私にはわかってる。 また、筋力が落ちた。 この前まで持てていたものが持てない 。隼人先生は何も言わないけど、きっとわかってる。 わかってて何も言わない。 リハビリが終わり病室に戻ると春と夏美さんが何かを見ながら話しをしていた。 『あっお帰り!夢乃、ここに行こう!』 春が見せた写真には、この前雑誌でみたような海が写っていた。 少し違うのは海の近くに小屋があるってとこぐらいであとはほぼ同じ 『沖縄にあるホテルで海の真ん前に小屋が あってそこに泊まるの』 『こんなとこが本当にあるの?』 『探すの苦労したんだよ。予約もばっちり !』 春が得意げに話す。 こんな素敵な所に泊まれて海にも行けるなんて感激。 でも、行けるのかなぁ? あと2週間後・・どんどん落ちる筋力。 2週間後にはどうなっているのか全く想像できない。 『夢乃ちゃん。あたし達は何があってもあなたを連れて行くから』
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