唖然。

2/5
前へ
/66ページ
次へ
【冗談抜き、で】 『っ……!』 目の前に、聖夜はいなかった。あるのは、――白い天井? 体の上に重みを感じて、気付いた。あたし今、寝てる。 ゆっくり体を持ち上げた。 『痛っ、え?』 体の所々に痛みを感じる。ズシリと重い痛み。 と、カーテンが開いた。 『ゆず?』 『せ、先生……?』 目を丸くする。先生は眉を顰めてて、笑ってない。 大丈夫か、とベッド脇の椅子に腰掛けて尋ねられた。 大丈夫か、とは……? 『あたし、どうしてここにいるんでしょう?』 『おまえ……何も覚えてねぇの?』 『……はい』 先生は一瞬目を見開いて、それから溜め息をついた。 『階段から思い切り落ちたんだよ』 『……え?え?』 じゃあ、聖夜のは夢? 『奇跡的に軽傷だ。』『すいません……なんで、倒れたんだろ』『俺が聞きたいな。』首を傾げた途端、先生に簡単にそう突っ込まれた。 すいません、と呟くと、あたしの頭を撫でて、『マジで、よかった』と笑った。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1920人が本棚に入れています
本棚に追加