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【冗談抜き、で】
『っ……!』
目の前に、聖夜はいなかった。あるのは、――白い天井?
体の上に重みを感じて、気付いた。あたし今、寝てる。
ゆっくり体を持ち上げた。
『痛っ、え?』
体の所々に痛みを感じる。ズシリと重い痛み。
と、カーテンが開いた。
『ゆず?』
『せ、先生……?』
目を丸くする。先生は眉を顰めてて、笑ってない。
大丈夫か、とベッド脇の椅子に腰掛けて尋ねられた。
大丈夫か、とは……?
『あたし、どうしてここにいるんでしょう?』
『おまえ……何も覚えてねぇの?』
『……はい』
先生は一瞬目を見開いて、それから溜め息をついた。
『階段から思い切り落ちたんだよ』
『……え?え?』
じゃあ、聖夜のは夢?
『奇跡的に軽傷だ。』『すいません……なんで、倒れたんだろ』『俺が聞きたいな。』首を傾げた途端、先生に簡単にそう突っ込まれた。
すいません、と呟くと、あたしの頭を撫でて、『マジで、よかった』と笑った。
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