傍にある光

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暗闇の中にボクがいた 足を手で抱きながら座っていた どこを見渡しても独りだった 心を殻の中に閉まって 悲しみも苦しみも寂しさも 感じないふりをしていた これがボクの心の一部なら 暗闇の深さも広さもわからない 果てしなくどこまでも続いていく 深い、深い闇だけだと思った 暗闇の中のボクは求めていた ただひたすらに求めていた 一緒に手を繋いでくれる人 一緒に歌を歌ってくれる人 殻を破って受け止めてくれる人 それはきっと「愛」だった 求めているのが「愛」なら この手に包みこんだ時 ボクはどうなるのだろう 誰も知らない、ボクも知らないけど、 1人「愛」を知っている人がいた 暗闇の中で背中合わせに 座ってくれる人がいた それが誰だかわからない 友達なのか親なのか恋人なのか そんなことはどうでもよかった ただいてくれるだけでよかった そんなとき、 ボクの目の前に一筋の光が導いた ただひたすらに手をのばした それがなんなのかわからない でも、光はボクを導いた 届いた時、いつのまにか ボクの周りにはかけがえのない 大切な人が傍にいた あれが「愛」だったのなら ボクの傍にいてくれた人は ボクであり、あなたであり 「愛」だったんだろうか けがえのない人だった
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