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「ほらほら、纏。
しっかりしてください。
今度から気をつけなさい。
あ、それと兄さん、おじい様がお呼びになっていましたわ。」
そういうとふえふえと未だにぐずる纏を連れて、紡は僕の部屋を出ていった。
じい様が俺に用事…ろくなことじゃないんだろうな。
前呼ばれたのはなんだっけ、河童の手を粉末にした不死身の薬もどきを飲まされたんだっけ。
そのあと俺は盛大に腹を下して体重を何キロか持ってかれてしまった。
河童の手っつーのも真っ赤な嘘で漢方に使われる根っこだったっけ。
だから正直行きたくない。
猛烈に行きたくない。
けど行かないとあのジジイは馬鹿みたいに怒るのだ。
自分がないがしろにされるのはなにより嫌いらしい。
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