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見覚えのある字体に、はっとする。
後ろのペ‐ジを一枚乱雑に破り、もはや殴り書きみたいな字。
『おはよう』
彼女の席に、そっと置く。
窓の外にあった視線を置かれた紙に移す。
彼女は、ペンを手に取りゆっくりと余白に書き出す。
『おはようございます(≧∇≦)
具合の方は如何ですか??』
思った通りに紛れもなく、このノ-トと同じ字体だった。
キタデマリヤの字。
「さんきゅー……」
俺が小さくそう言うと、彼女はそっと笑った。
普段見ることのない彼女の柔らかな表情。
初めて見る違った顔。
左側で鼓動が鳴った。
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