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失い、気付く気持ち。
固く目を閉じたクリスティーに、煌耶は更に涙した。
あの日、別れ際に彼女が言った言葉。
それと、今の言葉は一緒だった。
意味は――
「Good bye……。さようなら…。クリス…」
クリスの頬に涙を零しながら、彼女の遺体を抱きしめ、そっと、浜に寝かせる。
そこへ、総司が歩み寄ってきて、煌耶を後ろから抱きしめた。
「煌耶……」
「総司…、怪我ない?」
総司を離して振り返り、笑顔で訊ねる。
「ない。でも…おまえは……」
言われてから、肩を怪我していた事に気付く。
「こんなの、痛くも痒くもない。けど……」
言いかけて顔を歪め、胸元を押さえる。
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