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21時すぎ
悠の家に行った
自分なりに話したい事はまとめたつもり
「話あるんだけど」
私は悠に云った
「めんどくさい。何?」
悠は躯を交えてる以外は怒ってばかりだった
笑わない
あの頃とは違う彼
近くで見てきたから分かる
彼の微妙な変化
私は好きだと気付かないふりしてただけ
それが私のずるさ
何度もチャンスはあったはず
《好きだよ》
そう悠に抱きつかれ
《両想いだね》
ちゃらけてうかれていた私への罰
悠を見て思う
馬鹿馬鹿しい考えなんだけど
私が悠から離れれば
悠も私も救われるんじゃないかなって
だから云わなきゃ
なんて云われようと
「もう終わりにしたいの」
「はっ?」
「こんな事しても私も悠も………」
―――バシッ
云いかけた言葉を遮るように右頬を悠の手が直撃した
叩かれた私はその場にくずれた
「ふざけんな!!」
呆然と座りうなだれる私の髪の毛を鷲掴みする
目の前には形相をかえた悠がいた
「彼にバレたと思う」
「ふ~ん。じゃ別れれば?」
話にもならなかった
悠の《別れれば?》
それだけで
私も話す気力をなくし
結局また
躯を重ねるんだ………
悠、あの時ね
少しだけもうどうでもいいと思ったよ
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