第④章

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チャンスがほしい 都合がいいと思われるだろうけど もう一度馨と向き合うチャンスがほしいと思った 妊娠があってもなくても この結論だったと思うんだ いつきても緊張する馨のマンション 深呼吸して合鍵で扉を開けた 静けさ漂う玄関 あ――― この香水だ 安らかな懐かしい匂い 余韻にひたりながらもふと足元に目をやる 女性モノのヒール ドクン――― これが長すぎた結果? ドクン――― ちゃんと待っていてと伝えるべきだった? ドクン――― 私の結論は 遅すぎたのかもしれない―――
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