第①章

5/20
前へ
/219ページ
次へ
「彼女ね~いるんだって」 だろうね 「え~」 放課後、授業中メールをくれた子たちに報告会 当然みんながっかり きいた私が一番がっかりしたのはみんなに云わなかった 本音だもの だから云いたくない 別に好きとかじゃなくて、こんなに人を見てどきどきしたのはじめてかも…なんて思ったの ただそれだけ… そうなんの意味もない そんなおばさん化してる私達のもとへ、男では仲いい悠がやってきた 「エロい話?まぜてまぜて」 悠とは小学校からの付き合い 妙に感覚がにているから悠とはずっと仲良くできる 男と女でそんな関係ありえない 友達は口をそろえて云うけど なんでかなぁ 悠とは同性の感じがするんだよね いつか悠にそう云ったら 「わかる。お前とならこの世で二人きりになっても男と女の関係なんかありえない」 って大笑いされた そんなに思いっきり否定しなくても… 少し複雑 話は戻って悠がきたから女の子達は凪の悪口にまわる 悠は実際もててたし、付き合いたい女の子はたくさんいる だからだね 急に凪の噂話をはじめた 「なんで今頃かな?」 「だよね~?同級生はらましたり?」 「だぶりらしいじゃん?出席とれなかったのかな?」 いろんな詮索が飛びかう これは悪魔でも想像 どこにも確かなネタもとなんてない そして悠が口をひらいた 「なんかさ~友達に、《今日お前のところにぱっ金、青い目いかなかった?》ってメールきたんだよね」 おっと これは正確な情報やん? 「なんかさ~先生とできてたらしいよ」 みんな絶句 テレビみたい 漫画みたい 他人事だからなんとでも云えるさ でもこの学校でも、付き合っていた人だっていたのをみんな知ってるはずなのに 感覚の違いかな? 男だとだめで女だと許されるのかな? それとも私が凪の事気になってるからかな どうしてだろう? 彼が五限目になって 「外みたいから席かわって」 そう云うから 「いいよ」 ってかわった それからずっと物憂げな表情で外を眺めていた そんな彼を思い出した あまりにも綺麗な彼の顔
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!

477人が本棚に入れています
本棚に追加