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その通りだった。
僕はアズに嫌われるのが怖かった。
「でもな、その優しさが彼女をわがままにした原因でもあるんだぞ。
彼女はおまえが傷ついたことを、わかってないかもしれない。
心変わりしたことを、ひとことも責めなかったしな。
彼氏の兄貴を好きになったら、同じ屋根の下に住む兄弟がどんな思いするかなんて考えもしないんだよ、彼女は。
…………まぁ、俺がどうこう言えることじゃなかったな。
とにかく。
彼女の熱はすぐ冷める。
おまえの彼女を悪く言いたくはないが、きっとまたすぐ他の男を好きになる。
恋愛を手軽に考えてるコだ。
俺のこともすぐに忘れる。
そう思ってたから彼女のことは話さなかった。
もし、そのことでおまえを傷つけたなら謝る」
「……陸は悪くない。
オレが陸だったとしても、たぶんそうしたと思う」
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