男と獏

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そんな朦朧(モウロウ)とした視界の隅で、黒いものをみた気がした。 「…?」 ゴシゴシ拭いてから目を凝らして、よく見ると… 今度は、しっかりと目で捉えられた。 [黒いもの]は… 真っ黒のコートを着た… いや、真っ黒なフードのあるマントを羽織った、1人の男がいた。 「男」と言っても、見た目は若い。 そして、その男の腕の中にはアリクイのような、動物が抱えられていた。 「え、なに?だれ?」 何で俺の部屋にいるんだ?
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