男と獏

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男は、口を開けて何かを言おうとして、止めた。 気になったが、聞き出す前にまた、口を開けてしゃべり始めた。 「誰だっていいだろ、別に。それよりも、そこのお前」 ビシッと俺を指さしてくる。 アリクイは、片手にいる。重くないの?とかどうでも良いことを考えてしまった。 「は?え…お、俺?」 いきなりでかなりどもってしまった。 ちょっと、恥ずかしい。 「そうお前。」 冷めた目でジッと見られる。 嫌な感じしかしない。 ムッとしながら「なに?」と答えると…
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