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そこまで、話して男は愛おしそうに獏を撫でる。
「その悪夢を、コイツにくんねぇ?コイツにとって、悪夢を喰べるのは、大切な食事だ。
ちゃんと生きてる。だから喰わなきゃ死ぬ。
分かるか?」
「…分からないこともない。」
俺が答えると、そっかと小さく寂しく笑った。
「でもな…」
獏を部屋の床に降ろして、説明を再会させる。
「悪夢を喰べると代償がある。」
「代償?」
「あぁ、喰われた人間は、それ以前の記憶が消える。」
絶句した。
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