彼の正体~好きになるんじゃなかった~

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「ちょちょちょっ…なっなんっ…!?」 「落ち着け香奈。何言ってるかわかんね。」 驚き過ぎてどもる私を斗真がなだめる。 だけど落ち着けるはずなんかなかった。 だって…今私がいるのは日本一の高級ホテルのロイヤルスイートルーム。 広いだけじゃなく、置いてある物全てが超高級品で。 しかも予約もしてないのに斗真が顔を見せただけで迷う事なくここまで案内されたのだ。 それにここまで来た交通手段もすごかった。 私は初めてヘリに乗った。 もう何もかもが凄すぎて…瞳孔開きっ放し。 「…だだだ…大丈夫なの!?お金とか…ここまで無理しなくてもっ!!」 慌てふためく私に斗真はクスクスと笑う。 「何も心配いらないさ。…これからだっていつでも連れて来てやる。」 「えっ…?」 いつでもって…ロイヤルスイートだよ!? 一泊いくらするか分かってるんだろうか。 「俺会社辞めて来た。」 「へぇ…。って、え!?」 「…んで、このホテルの経営任された。」 「ま…任されたって誰に!?」 「父さんに。」
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