嵐の去った海岸

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ほっそりとしたその身体は、思ったよりも軽くて、抱きしめると壊れてしまいそうです。 死んではいないようで、小さく息をしています。 若者は、ほっと胸を撫で下ろしました。 人魚の姫の乱れた髪を撫でて整え、頬に貼り付いた砂を静かに払ってやると、人魚の姫のまつげが震えました。 若者が見つめていると、人魚の姫のまぶたがゆっくりと開けられました。
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