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「そういえば……コレ作んの、大変だったの覚えてるか?
俺、ひまわりに殺されるかと思ったの初めてだったし……」
はぁとため息混じりに言う俺に、咲は笑った。
「あははっ。
この『ひまわりの庭』は晴希と看護婦さん達が、一生懸命作ってくれたもんねー。
覚えてるよ、めちゃめちゃ大変そうだった!」
あの頃を思い出すように天を仰ぐ咲の視線は優しくて、俺もやっぱりあの頃を思い出してしまう。
今日のように、暑かった夏だった。
「まぁ……色々見えたモンもぁったけど……」
「えっ何?なんか言った?」
俺の独り言にも似た小さな声にすかさず反応を見せる咲に、少し赤くなった頬を隠すように腕を顔の横に上げて見せた。
「と、にかく……ほんと、感謝しろよな」
「はーい」
ふわりとまた、柔らかい笑顔が君から零れ落ちた。
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