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乙女心なんてモノも一生分からなくてもいい。……なんて、本当はそう思ってる。
ただ、君の事を誰よりも分かることが出来ればいいだけ……
でも、つまらない恥ずかしさに言葉に出来たことはなくて。
本当に俺こそ、ヘタレかってやつ……
そんな俺の思考回路なんて当然知らない咲は、俺の発言に目を少し大きく見開いて、けれどまたふわりと笑う。
「えー駄目じゃん!そんなんじゃぁ彼女できないぞぉ!
……って半分は私のせいだね。ごめんね、いつも学校帰りによってもらっちゃって……」
最初はにこやかでいたはずなのに、いきなり寂しそうな表情をして俺の顔色を伺うように睫を伏せた。
本当に、表情がころころ変わって忙しい奴。
そんな咲は本当に、馬鹿だと思う――
「……俺は好きで来てんの。ここの看護婦さん、綺麗だし?
とくに咲の担当の皆実さん」
しらっとそう答えながらやれやれとした表情を咲に見せる。
……そんな自分もまた、馬鹿だと思う。
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