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頭を少しだけ下げてそういうと、そんな事を言われると思っていなかったのか、彼女はぱちぱちと瞬きをして見せた。
「あらっ、どうしよう。私も少し走っちゃったわ」
そうしてふわりと笑って、まだまだ二十代半ばの彼女は言った。
「それよりも、言わなくちゃいけないことがあるの」
「……え?」
彼女は息を整えるように、一つ深呼吸をすると白い白衣の胸元をトントンと叩いた。
そうして彼女の手に握られているモノの存在に気づいた。
そのまま差し出さたそれは白い封筒。
少しヨレている。
「咲ちゃんからよ」
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